「空の中」 有川 浩

2009.09.28 Monday

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    有川浩自衛隊3部作第2段「空の中」。
    高度2万メートルの成層圏(科学くんの風船カメラが行ったところ
    新たに開発された旅客機のテスト飛行の謎の爆発事故。
    同時期、航空自衛隊F15も成層圏で爆発事故を起こす。
    事故の調査に当たる生き残りの女性パイロット武田光稀と技術者春名高巳は再び成層圏へ向かい、そこに生息する知的生命【白鯨】との出会う。一方、高知県仁淀川沿いに住む高校生・斉木 瞬は浜辺でクラゲに似たいきものを拾う。幼なじみの佳恵とそのいきものを「フェイク」と名付けて飼うことになる。けれどそれが【白鯨】の一部であること、自分の父の死の原因となったことを知ってしまった瞬は…

    海の底」でもトンデモな生物が人を無差別に襲っていましたが、「空の中」の【白鯨】と呼ばれる生物は知的生命体なので、コミュニケートが可能です。しかし、人間というのは自分たちより頭のいいものがいるとどうも落ち着かないようで、結局先走って攻撃しちゃって痛い目にあいます。(^^;)
    ただ、【白鯨】たちは単一生命で生存競争以外の戦いの概念がないため、関係者たちが必死で和睦の道を探りますが、世の中にはうがったものの見方をする人もいて、その仲の代表、【白鯨】の接触事故で父親を失った白川真帆は反【白鯨】団体「セーブ・ザ・セーフ」を掲げ、同じ遺族であり【白鯨】の一部であるフェイクを扱える瞬を誘い込もうとしあます。父親の死から目をそむけてフェイクをそだててしまった瞬は贖罪のために「セーブ・ザ・セーフ」に参加してしまいます。
    瞬を心配して必死で取り戻そうとする佳恵。
    2人を心配する宮じいの、素朴だけれど実直な言葉が心を打ちます。やっぱり真面目に年を重ねた人間の言うことはすごい。
    こんな年寄りになりたい。

    有川作品はただただトンデモな生物を登場させるだけじゃなく、そんな「もの」が現れたときの人間の対応や混乱具合の描写がすごいんですよね。ただ実際にこういう出来事が起こったとき、高巳さんのような切れ者がいればいいのですが…

    文庫版にはオリジナル書き下ろし「仁淀の神様」掲載。
    そして解説は有川さんが尊敬するSF作家・新井素子さん。
    素子姫口調の文体は今なお健在。

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    有川作品感想
    旅猫リポート
    ほっと文庫 「ゆず、香る」

    クジラの彼
    ラブコメ今昔
    阪急電車
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    レインツリーの国
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    シアター2!

    フリーター、家を買う。
    植物図鑑
    県庁おもてなし課
    JUGEMテーマ:SF小説


    スイスのおばあちゃん、ランジェリーをつくる[映画] マルタのやさしい刺繍

    2009.09.27 Sunday

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      スイス映画「マルタのやさしい刺繍」を観ました。
      スイスの田舎町に住むマルタおばあちゃんは夫を亡くした悲しみから立ち直れずにいる。心配した友人リージがマルタおばあちゃんの夢だったランジェリーショップを開くことをすすめるが、保守的な田舎町では変人扱いされるし、友人や牧師の息子からも反対を受ける。けれど、反対を受けながらも生きる喜びを見つけたマルタはランジェリーショップを開くことを決める。それ見た友人たちもまた新しいチャレンジを始める。

      すごくかわいい映画でした。(^^)
      おばあちゃん映画というより、これはもうガーリー映画です。
      マルタおばあちゃんとその友達たちがすごくキュート。

      マルタの友人・ハンニも足の不自由な夫の看病をしていますが、
      政治の仕事が忙しい息子が病院に連れて行ってくれなくなったため、一念発起して車の免許を取りに行きます。
      その資金は夫が大切にしていた金貨(記念コイン?)なんですが
      黙って持ち出したハンニに夫は「自分が渡した」と息子に嘘をつくんです。この夫婦愛いいな(^^)

      スイスという国はのどかに見えて実はすごい保守的な国家なのだそうで。
      おばあちゃんたちも、最初は家族問題や田舎のルールにしばられています。親子の問題や介護についても日本とあまり変わらない。
      もっとヨーロッパ諸国は自由かと思っていたけれど、こういう問題はどの国でも共通なのかもしれません。



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      ・こっちはアメリカのじじばば大活躍映画→「ヤング@ハート
      『マルタのやさしい刺繍』遅咲き乙女たちの紡ぐ夢 - CINRA.NET


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      NHKドラマスペシャル 白州次郎 「ラスプーチンの涙」

      2009.09.24 Thursday

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        NHKドラマスペシャル白州次郎
        前回2月の放送からようやく最終話 「ラスプーチンの涙」が
        放送されました。

        憲法改正時のドタバタ劇。GHQのごり押しに逆らえない日本側。
        必死で折衷案を模索する次郎さん。
        「こんな風に国の憲法がつくられていいのだろうか…」
        「いいわけがないだろう!」と、叫ぶ。
        この憲法が後々議論のもととなるわけだ。(´Д`)=3
        けれど女性の権利や平和について書かれたところは
        (問題はあるにしても)画期的な憲法なのだと思う。

        その後、次郎さんは一旦お百姓に戻るが、時代が彼をほっとかず
        通産省をつくったり、東北電力にかかわったりと日本を再生するために身を粉にして働く。けれど、周りからは「吉田首相を陰で操るラスプーチン」とあだ名され、バッシングの対象となってしまう。
        子供たちも次郎さんに不信感を抱く中、正子さんだけは次郎さんを信じて何も語らないけれど同志として見守っているんですよ。
        中谷さんの演技はすごくよかった。
        中谷さん写真集の中で正子さんのことを「真似のできない人」といってますが、中谷さんの品格と破天荒な性質を併せ持った正子さん像はとても好きです。

        しかし全体的にあまりにも短くてあっけなかった。
        正子さんの青山二郎との壮絶な師弟関係や
        次郎さんの晩年のエピソードをもっと入れてほしかった。
        せめて2時間あればなあ。

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        NHKドラマスペシャル白洲次郎UNKNOWN YEARS
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        ドラマ原案 「白洲次郎 占領を背負った男」→
        NHKドラマ白州次郎 第1回「カントリージェントルマンへの道」→
        NHKドラマ白州次郎 第2回「1945年のクリスマス」→
        「白州正子自伝」→

        「武士道セブンティーン」 誉田 哲也

        2009.09.24 Thursday

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          武道としての剣道を目指す青春武士道ストーリー。
          武士道シックスティーン」の続編「武士道セブンティーン

          正直、前回読んだ「武士道シックスティーン」では香織のかたくななまでのジャックナイフっぷりについていけない部分もあったのですが、今回はすごく面白かった!「武士道シリーズ」の中で一番好きです。
          早苗ののほほんとした強引さと、東松女子剣道部のみんなに支えられて香織はスランプから立ち直り徐々に心を開いていきます。ようやくこれから…というときに、早苗は復縁した父親の都合で福岡へ。

          福岡では早苗は名門、福岡南の剣道部に入部するものの、勝つために手段を選ばない指導と、仲良くなった剣道部員、黒岩レナのスポーツとしての剣道の考え方に疑問を抱く。
          早苗はインターハイで次鋒に選ばれるものの、それは中学大会準優勝の香織に勝ったという経験を買われてのことだった。
          香織と目指そうとした「武士道」とかけはなれ、どんどん剣道が嫌いになってしまう早苗。

          今回は早苗ちゃんがいろいろと悩んでます。
          一方、東松に残った香織は後輩の面倒をみたり、チームで勝つために考えたりとずいぶん成長していきます。中学時代のヘタレ男子、清水が不良にからまれたところを助けてなつかれちゃったり。1年の時とは別人のようだ…。・゚・(*ノД‘*)・゚・。

          今回は、武道とスポーツというのは違うものなのだということを実感というか、体感させられました。香織も早苗も、自らの信じた剣道を貫くために、ある行動にでるんですが。それがまた痛快で。

          柔道も剣道も武道というのはもともと優劣を競うものではないんですね。剣道の知識はまったくない私ですが、柔道のように防具や竹刀に色がついたり、やたら競技化してしまうのはやっぱり見たくないです。

          「武士道シックスティーン」→

          「武士道エイティーン」→

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          武士道エイティーンも発売。こちらもたのしみ。
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          剣道大会の決勝の映像があったので載せてみました。ものすごく早いですね。

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          キングオブコント2009

          2009.09.22 Tuesday

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            キングオブコント2009。
            優勝は東京03
            コント技巧派揃いの人力舎から(ゆってぃは除く)
            ようやっとチャンピオンがでましたよ。
            キンコメ今野君じゃないけど、「すっげーおもしろかったです!」v(≧∇≦)v
            コンビニ強盗ネタは今まで見た中で一番好きなネタなので
            テレビの前で爆笑しながら見てました。

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            みんなそれぞれ持ち味のコントだしてきましたね。
            どれも甲乙つけがたし。
            天竺鼠は面白かったのに残念。最初のコントで瀬下さんのマイクが落ちてしまうハプニングがあったのによくリカバリーしてた。
            モンスターエンジンは神でもゴッドハンド陽一でもない新しいネタひっさげて来てました。あの守護霊のやつ好きだったなあ。

            とりあえず今年の結果発表は無記名式なので安心して見られました。DVDが発売されたのでもう一度見直し。しずるの「冥土の土産」「卓球」もジャルジャル「麦わら」もレッドカーペットで個人的に好きだったやつなのでもう一回大舞台で見れてよかった。

            特典映像については、なんだかキングオブコントもおんなじ感じでファイナリストのさらっとしたダイジェストだけで、あまり面白いもんではなかったな。特典映像をつくるなら、もっと面白い視点でつくってほしい。

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            キングオブコント2008の感想はこちら→
            キングオブコント2010→
            キングオブコント2011→
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            Story Seller (ストーリー セラー) Vol2

            2009.09.20 Sunday

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              近藤史絵さんの「サクリファイス」の外伝目当てでStory Seller Vol2を読んでみました。

              近藤史絵さんの「レミング」は「サクリファイス」に出てくる事件以前のお話で、自転車ロードレースチーム・オッジのエース、石尾とアシスト赤城が遭遇する事件について、エースとアシストの関係などが描かれています。Story Seller Vol1にも「サクリファイス」の外伝が載っているということなので、こんどはこちらもよんでみよう。(^^)

              もうひとつ、有川浩さんの短編「ヒトモドキ」も興味深かった。
              妖怪ヒトモドキに魅入られてしまった家族の物語。
              妖怪と言っても実は人間で、人に迷惑をかけることをまったく頓着しない叔母と同居することになったある家族。叔母はゴミ置場をあさっては「もったいないから」といって衣服やゴミを集めてくる。カビの生えたようなパンの耳を後生大事にもちあるき、子供たちにわけようとする。怖い、怖いです。(((; ゚д゚)))
              ゴミ屋敷を形成する妖怪ヒトモドキ。
              身内だから、迷惑をかけられてもなかなか縁を切ることができないのが怖いですね。日本て役にも立たない親族を後生大事にするところがあるから。注意も勧告も聞く耳を持たない妖怪ヒトモドキ。
              ある意味幽霊よりも恐ろしい存在です。有川さんはべた甘や自衛隊ものの他に、時々恐ろしい人間像を描くことがあるんですよね。「海の底」に出てくる圭介の母親もそうでした。ニュータウン内を支配していて、人を差別したりハブにしたりと平気でやってのける人間で、人の気持ちを理解できないというのは「ヒトモドキ」と共通する部分があって、こういう人間こそが世の中でもっとも恐ろしいんじゃないかと思います。

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              謎の老人、ふたたび。「ふたつめの月」 近藤 史恵

              2009.09.17 Thursday

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                久里子はバイト先のファミレスにくる不思議な老人、国枝と公園で言葉を交わすようになり、悩みごとや身の回りで起こった事件を相談するようになっていった。

                しかし、国枝老人はある日子供を誘拐した罪で警察に追われることに。警察から国枝老人は実は赤坂という名で、詐欺師としてマークされていると聞かされる。事件後、忽然と姿を消した赤坂。彼はいったい何者だったのだろうか…

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                たったひとつの後悔


                事件のあと、久里子は念願の雑貨会社に就職し、友達以上恋人未満の弓田くんともいい感じになっていたのですが、弓田くんは料理の勉強のためにイタリアへ行ってしまうし、好きだった会社もリストラされてしまう。落ち込んでいる久里子の前に、偶然、歩道橋にたたずむ赤坂老人の姿が。

                実は久里ちゃんの退職は、慕っていた会社の先輩が自分の失敗を見られたくなくて久里ちゃんの退社を仕組んだのです。これ読んだとき、人間て、ほんと怖えなと思いました。

                先輩も罪悪感は一応持っているのですが、それでも、自分のミスをぬぐうために人の人生を変えてしまうって発想が怖い。私だったら自分が辞めるけれど。


                パレードがやってくる


                久しぶりに帰ってきた弓田くんの家に遊びに行く久里ちゃんですが、そこには弓田くんの幼なじみ、明日香がいた。
                弓田君から「明日香の相談にのってやってくれ」と頼まれてしまうのですが、この明日香って子が超生意気でいろいろと久里ちゃんを振りまわします。

                「絶対分からない方法で人を殺す」と打ち明けられ、必死で止めようとする久里ちゃん。ベタな少女マンガのパターンですが、それでも久里ちゃんは弓田くんから頼まれたからと明日香の事件を赤坂老人に相談し、親身になって世話をします。

                久里ちゃんはほんと、いいこだなあ。


                ふたつめの月


                就職は決まったものの、好きだったアパレル系への未練が残っていて「このままでいいのか」と悩む久里ちゃん。赤坂老人へ相談をしにまた歩道橋へ。赤坂老人はいつもこの歩道橋で見かけるから。

                赤坂老人は下の車を眺めたり、公園から月が見づらいといって街頭を外してしまったりと、一見奇妙な行動をしているが、彼の行動にはいつも「理由」があった。

                赤坂老人と別れたあと、白いバンが老人をひき逃げする場面を目撃してしまう。実は、実はあの歩道橋の上から窃盗団の車を撮影していたらしい。赤坂の見舞にいくと「歩道橋の街頭を壊してくれ」と意外な頼みごとをされる…

                主人公の久里ちゃんがほんとにいいこで、思わず「久里ちゃん」と呼びかけてしまいそうな女の子なんです。本人はそんなにやさしくないと文中で語ってますが、今どきの女の子っぽさも持ち合わせつつ、困った身近な人間のために働くけなげさもある。

                赤坂老人との交流を通じて、久里ちゃん自身も成長してゆくのを、読んでいるこちらも応援したくなりました。


                前作『賢者はベンチで思索する』
                賢者はベンチで思索する (文春文庫)
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                <


                近藤史恵作品感想


                自転車ロードレースを舞台にした名作
                サクリファイス→
                エデン→

                ビターな恋愛

                「スタバトマーテル」→
                「アンハッピードッグス」→

                かわいいくて切ないミステリ
                「賢者はベンチで思索する」→
                「あなたに贈るキス」→
                「天使はモップを持って」→
                「モップの魔女は魔法を知ってる」→

                下町のシェフが解き明かすおいしそうな日常ミステリ。
                「タルト・タタンの夢」→
                「ヴァン・ショーをあなたに」→

                梨園の世界を舞台にしたミステリ
                「ねむりねずみ」→

                『マミちゃん(仮名)ばかりが、なぜモテる?―同性に嫌われれば嫌われるほど異性に好かれる男女の不思議』 柴門 ふみ

                2009.09.16 Wednesday

                0
                  確かに、男にモテる女は、同性に嫌われる。
                  「マミちゃん」と呼ばれる女性のイメージは、甘え上手で、たれ目でスキのある顔立ち。とりたてて美人なわけじゃないけれど、「ほわーん」とした雰囲気の作り方がうまい。

                  それらの女性たちを「マミちゃん(仮名)」と絶妙なネーミングした柴門ふみさんのセンス、すばらしいです。
                  確かにそういう女性たちは
                  マミねぇ〜、〜なのぉ」としゃべりだしそうですよね。
                  全国の真面目に生きているマミさん達には申し訳ないのですが。(^^;)

                  私が思うに、「マミちゃん(仮名)」になれるのは、人生最初の身近な男性、父親をうまくころがし、母親や姉妹の嫉妬をかわせる人ではないかと思うのです。
                  ちなみに私は3人姉妹の末っ子で年が離れていたので、父親にかわいがられて育ちましたが、物心つくころから母親の愚痴や姉妹たちの嫉妬の視線を感じ、次第に父親と距離を取るようになってしまいました。
                  あくまで個人的な感想ですが、家庭内でも「勝者」として君臨できた女性が「マミちゃん(仮名)」の素質をもちあわせているような気がします。

                  マミちゃん(仮名)ばかりが、なぜモテる?―同性に嫌われれば嫌われるほど異性に好かれる男女の不思議
                  マミちゃん(仮名)ばかりが、なぜモテる?―同性に嫌われれば嫌われるほど異性に好かれる男女の不思議

                  サイバラさんも「毎日かあさん」の中で娘の父親ころがしっぷりを描いていましたっけ。
                  毎日かあさん4 出戻り編
                  毎日かあさん4 出戻り編

                  ・マミちゃんとは対極のモテない系の女子の生態 「くすぶれ!モテない系」→
                  JUGEMテーマ:エッセイ

                  プロダクションI.G

                  2009.09.14 Monday

                  0
                    先日、用事があったので国分寺へ。
                    国分寺は学生時代から慣れ親しんだ街だけれど、まだまだ知らない場所やものがたくさんありました。
                    攻殻機動隊で有名なプロダクションI.Gも国分寺なんですね。
                    最近知りました。国分寺には昔からタツノコプロなどのアニメ制作会社があったことは知っていたのですが…

                    もっと早く知っていたら近辺をうろついて打ち合わせにきた(かもしれない)羽海野チカさんや上橋菜穂子さんを目撃することができたかもしれないのに!…(>_<)
                    ま、そんな偶然はめったにないでしょうけれど。
                    好きなアニメの制作会社が電車で行ける距離にあるのは
                    うれしいです。(^^)

                    プロダクションI.G.通りかかったので記念に撮影。
                    今放送中の獣の奏者のポスターがありました。
                    プロダクションI.G.

                    アニメ獣の奏者ポスター

                    「芙蓉千里」 須賀 しのぶ

                    2009.09.13 Sunday

                    0
                      有川浩作品「植物図鑑」と共に携帯小説サイトに連載されていた「芙蓉千里」。

                      芙蓉千里 あらすじ


                      明治末期、一人の少女・フミが中国大陸に渡った。彼女は角兵衛獅子で鍛えた身のこなしと舞の才能で、やがて哈爾浜(ハルピン)で名をとどろかす芸妓へと成長する。

                      自分を捨てた父親から母親は吉原の花魁だったと聞かされ、自らを女衒に売り込み、大陸一の女郎となるべく海を渡るフミ。親に売られたタエとともに哈爾浜の女郎屋・酔芙蓉で下働きを始める。酔芙蓉では元武家でお職の蘭花、妖艶な牡丹など華やかな女郎たちがあでやかさを競っていた。

                      ある日フミはスリから助けてくれた日本人の男・山村に出会い、特別な感情を抱くが、謎の多い山村は素性を明かそうとしない。そんな中、ハルビンを訪問した伊藤博文が暗殺されるという事件が起こる。見物客として一部始終を見ていたフミの視界には、あの山村がいた…

                      数年後、芸妓「芙蓉」を名乗り、彼女の舞に魅せられた貴族の次男、黒谷貴史からも援助をうけ、ハルピン一の舞姫に成長するフミ。しかし黒谷は普通の旦那ではなく、過去の心の傷からか、フミには色恋というよりも彼女の舞を愛している人物。そんな時、再びフミの前にあらわれた山村。彼についてゆくか、ハルビンで芸妓「芙蓉」であり続けるか、フミの選択は…

                      大陸に渡った少女たち


                      「芙蓉千里」では、当時の大陸で海を渡った女郎たちがどんな思いで、どんな生活をしていたのかが詳細に描かれています。明治期にアメリカ活躍した娼婦「風船お玉」さんはわりあい自由に行動していましたが、大陸の女郎たちは店と借金に縛られるのは内地と変わりはしないんですよ。

                      大志を抱いた大陸浪人の男どもと違い、女はどこへいっても苦労がつきまといます。それだけに、酔芙蓉の華やかさには目を奪われます。芸妓「芙蓉」となったフミの舞にも。

                      全体的に面白いお話なんですが、残念なのは携帯版とずいぶん違ったこと。登場人物の名前も変わってしまったし、好きなエピソードも削られてしまっていた。確かに長い連載だったので削ったことで話の筋はわかりやすくなったけれど。それと、歴史ものだとどうしても波乱の展開を期待してしまうんですよね。

                      物語の最初で伊藤博文の暗殺がでてきたので、その後もフミと山村が歴史的事件に絡んでいくのじゃないかと思っていたんですが。。

                      芙蓉千里
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